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ちょっと前のことになるけれど、北海道にいってきた。「道東演劇祭」。
釧路、帯広、北見の三つの都市でがんばっている三つの小さな劇団が一箇所に集まって、二日間で三つの芝居を上演するのだ。北見の劇団動物園スタジオはもと金物屋さんの建物。いまはきちんとブラックボックス。私はそれぞれの芝居を見た後のアフタートークをする。
いい感じの小さな小屋。
役者の小さな仕草に笑ってくれる、暖かいお客さん。
皆きちんとした社会人として働きながら、演劇をやっている、そういう役者たち。スタッフたち。自分たちの手作りで改装した小劇場。京都ではお会いできない年配の大人の役者が、大人気なくお芝居をがんばっている。
もちろん旅先は感じやすくなっているし、見たもの聞くものを数パーセントはうつくしめに受け取ってしまう傾向は知っているけれど、なんだろう。その狭い小さな空間によりあつまってくる意志、意志の群れ、そういうものが僕の心を打ったのでした。いいなあこの空気。
ああ。演劇ってこうだった。小さいところで、息遣いがせまる狭さで、なんだか世間のマイナーな位置で、(失礼)それでも、いやそれだからこそ、誰にも知られない(失礼)宝物をこっそりつくったりみせたりしてるんだ。
失礼。失礼失礼。だけど正直なことを言えば、やはりマイナーな場所なのに人が来たいと思ってやってくる、そこに「うそのなさ」を感じてしまう気分がどこかに私の中にあるからかもしれませんね。この感動は。それがもしかしたら僕の演劇好きの核なのかもしれません。
写真はアフタートークのひとコマです。
帯広の演研の演出家、片寄晴則さんと。
米作中心じゃなく畑作中心の田園の風景は大地がゆるやかな曲線で空と境目を作ってました。そんな街は家と家の間隔がやっぱりちょっと広めのようで。塀が低い。ように見えました。
また行くでしょう。また行きたい。いや行く。
今度は作品を持って行きたいなあなどと 白い雲に祈って。
ああ。出会いを感謝します。と露天風呂の白い幹の木に祈る旅。
福井の劇団が私の作品を上演してくれる。私の、書き下ろしだ。
9月に上品芸術演劇団で上演した「約束だけ」が先になったけれど、実はこの夏をだいなしにする勢いで書いていた脚本が、福井でだけ上演される、「にちにちのともににちにちのたよりを」だ。これは必見。小さな、自宅を改装した劇場はウイングフィールドどころではなく、息遣いが触れるほどの距離で。
私も見に行く。絶対見にいく。
福井県は田舎だ、と世間は思っているかもしれない、いやそうだろう、いや必ずそうなのだろうけれど、実際、演劇の、演技者のレベルはかの地のほうが上かもしれない、と私に思い知らせたのがこの劇団のメンバーなのだ。
ひょっとしたら小劇場活動をステップに芸能人に!とか浅き夢みしえひもせす みたいな若者がうじゃうじゃ混じっているこの「関西小劇場界」の役者たちと違って、そんな軽薄なことなど望むことがない土地では、腰を落ち着けて役者たちが稽古しているのだ。休んでいるのだ。いや稽古しているのだ。どっちか判らないような頻度になることもあるんだろうけど、気の長い活動を続けている。生活者としての体験を積みつつ。いやきっと生活が主で、演劇が従だ、という方が多いだろう。
それこそが、私の考える「理想の役者」の条件に近い。思想の深さ。経験の味わいの豊かさ。重厚な情緒。そんなものは、短期の数年間のフリーター暮らしで身につくものじゃない、と前々から思っている。充実した演技、情緒の深い配慮。そこに役者が立つだけですでに存在感が客を打つ。そんな迫力を、実現したいと願えば、市民としての意識、政治人としての思想、生活者としての責任、地に足のついた人生観、そういう観念にもとづいた人間に対するやさしくて熱い理解。厚い理解。
だいたい、長く続けている方々は演技が上手だ。それがなにより驚くことなのだけれど。4-5年のエンタメ演劇歴では声張り上げて過剰な抑揚、くらいしか身につかないこともしばしばだけれど(すいません)この方たちの無欲な精進は結果が伴う。うまい。落ち着いている。微細な表現。とりすましたようなとぼけた呼吸。うまい!
どうか、見に行きましょう。皆さん。
福井は京都からだと特急電車で一時間ちょいです。あっという間です。ドライブだと途中琵琶湖の北の端っこによったりするともうそりゃ絶景です。すんばらしい北欧のコテージのような水辺の楽園がありますよ。
稽古中の写真、を送ってもらった。
これ稽古中の演技の写真だと思うんだけど。皆でくつろいでかんぱーい、って休んでるように見えなくもないんだけど。いやこんな場面あったっけかなあ。書いたっけかなあ。いや書いたのかもしれない。書いたのだろう。書いたのだ。そうだ。
……いやなんだか楽しそうにかんぱーい、っていうふうに見えるなあ。
……………
鈴江俊郎が百年イラチカへ書き下ろし!
にちにちのともににちにちのたよりを
作・鈴江俊郎
演出・瀬川あづさ
出演・黒川明/打田チカオ
/西野かつゑ/飴田彩子
/葦田しずか(深海シガレットムーン)
スタッフ・山田健太郎/山口工作/青山円
■日時・11月
03日(土)PM9:00 04日(日)PM2:00 PM7:00
10日(土)PM9:00 11日(日)PM2:00 PM7:00
(開場30分前)
■前売券(日時指定)1,500円
■当日券 1,800円
未就学児の入場はご遠慮ください。小学生の入場についてはご相談ください。
前売り予約、またお問い合わせは、下記のメールアドレスへお願いします。
<hyakunen_irachica@yahoo.co.jp>
■場所・大衆館 福井市 志比口 3-3-48
黒川と鈴江氏との交流から、劇団八時半の福井公演が実現。
2001年「トマトと、」大衆館公演
2002年「火花みたいに」大衆館公演
今回、サイトを新たに心も新たにいたしました。
ニュースをひとつ。
鈴江俊郎、二口大学、押谷裕子でつくった 演劇ユニット昼ノ月 からのお知らせです。
2008年6月から京都のアトリエ劇研を皮切りに、鳥取、倉敷などで公演を行います。
「顔を見ないと忘れる」(2007年6月初演)再演ツアーと名づけられたこの公演は、もっと多くの人々に観てもらいたいという私たちの願いから誕生しました。
見逃したという方も、知らなかったという方も、大丈夫!
今度は是非是非、お越しください。
また、公演に先立ちまして、昼ノ月ワークショップも行います。
今回も、講師は二口大学さん。
前回同様、わかりやすくおもしろいワークショップになること間違いなしです。
昼ノ月ワークショップ
「俳優の身体を探す旅に出る~2~」
日時:2007年11月23日(金)18:00~21:00
11月24日(土)13:00~16:30
※どちらか1日の参加でも可能です。
料金:5,000円(1日のみの参加の場合、3,000円)
定員:15名
お問合せ先
メール:hirunotuki196363@mail.goo.ne.
TEL:090-3058-1152
URL:hirunotuki.ojaru.jp/
●演技は「常にナマモノでいること」とよく強調されますが、つまりそれは「今日、ここで、今、相手がなにをしだすかわからない」という不安の中に身を置く、ということです。舞台の上ではなかなかそういう境地になれません。
舞台の上で常にドキドキしたい。生き生きしたい。
決めつけていると楽ですが、私たちは恐れず、ドキドキのしんどさを保って舞台に立とうじゃないですか。
そのエッセンスを探りとろう。
というワークショップです。
どうか、是非是非ふるってご参加くださいませ。
(ワークショップチラシより引用)