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二口大学、という役者の歴史を考える。
そういう時間をせんがわにきて持っている。いや持たざるを得ない。
考えてみれば器用なのはあたりまえなのだ。
こちらにきて、もうこの作品自体のステージ数が20回を超えているのに、彼はまだ苦しもうとしている。かわろうとしている。もちろん、演出の鈴江がしつこくてまだもっとうえを、うえを、と、あるのかないのかわかりもしないそんな高みを目指して要求し続けるからもあるのだろうけれど、それにしても、彼のしつこさも相当なものだ。
演劇はなまもので、日々お客さんが違う。今日は芝居が始まってみたらどんな反応なんだろうか、どんな反応をする客席なんだろうか、……大変静かなやりとりから幕を開けるこの芝居の、はじめの5-6分の緊張。座ってみないとわからない椅子、金属なのか木製なのかふかふかのクッションなのかわからない椅子のようなもの、なのかもしれない。それを察知しようとする彼のアンテナのおびえ。音響席から感じる。おびえる役者は魅力だ。恐怖がなくなると対応ができないのだ。
演劇はコミュニケーションの作業だから、舞台の上だけで完成度が高まってもしようがない。ましてや役者の内部だけで純粋度が高まってもしようがない。客席とどう呼吸しあうか、客席の反応にどう敏感に、鋭敏に対応して微妙に変化するのか、それを毎回さぐるのだ。彼は知っているにちがいない。その恐さを。だからこそ毎ステージが新鮮で、楽しいし、苦しみたくもなるのだ。
さあ。関西現代演劇俳優賞。今日もおびえを見せてくれ。
演出の鈴江は幕が開いたら手も出せず口も出せず祈るばかりなのだ。
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