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夏休み。こどもとたき火で米を炊いてたべた。
今、武蔵野市図書館でちいさな展覧会をやっていて、それをのぞいた。その中に「焼き場に立つ少年」という一枚の写真があった。
少年、10歳くらいだろうか。きりっと前を向いて立っている。彼は赤ちゃんを背負っている。2歳ほどだろうか。首を横に垂れて口を開いている。眠っているように見える。
写真の横に書かれている文章を読む。正確じゃないがおぼえているのは、
――終戦直後の焼き場。「背中の弟をおろしなさい」と言われて彼は下ろす。熱い火の中に入れると脂の焼ける臭いがした。少年は前を見つめたまま直立不動、どんな日本軍人にも負けないような姿勢で、最後まで火を見ていた……
写真の赤ちゃんは私の子供そっくり、だった。
夏は戦争や不戦の誓いを語る報道や企画が多いけれど、自分に子供ができてから、ますます敏感になったのを感じる。図書館の中で声を出して泣きそうになった。
写真はジョー・オダネル「トランクの中の日本」という写真集からだと記述があった。
アメリカ在郷軍人の圧力で中止となった、スミソニアン博物館での原爆写真展を再現した写真集らしい。57点の写真は、オダネル氏が撮影し、50年間トランクに封印されたまま公開されなかった広島・長崎の真実の記録だ、とのこと。
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