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福島原発告訴団は、この1月に、東京電力や経済産業省の原子力安全・保安院の関係者らを業務上過失致死傷罪のかどで、刑事告訴・告発した。私もその告訴・告発人に参加する。
2012年告訴は、東京地検が「不起訴」→検察審査会に申し立て→検察審査会が「起訴相当」→東京地検が再度「不起訴」という経緯をとっている。検察は告訴団が提出した新たな証拠には触れず、強制捜査をすることもなく、職務を放棄したと言ってもいい。
今回も新たな証拠が提示されている。その一つを取り上げても、十分責任者は起訴され、処罰を受けるべきものだ。
以下、呼びかけ文より抜粋する。
――2010年、福島第一原発3号機では、「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)」を装荷する「プルサーマル発電」が計画されていました。保安院の森山氏と名倉氏は、2009年に東電から、試算した津波高が8~9メートル(土木学会の計算方法では12メートル前後)になるとの報告を受けていながら、対策を講じるよう指示しませんでした。森山氏は2010年に名倉氏らに送った電子メールの中で、保安院が実施していた「耐震バックチェック」が終了すれば東電に津波対策を指示せざるを得ず、そのあおりでプルサーマル開始にも影響が出ると示唆。プルサーマル開始を優先するため耐震バックチェックの終了を先延ばしにいているうちに大震災に遭い、大事故に至ってしまいました。――
ほんのこれは一部だ。
過去の事件に対して刑事罰を与えることだけに意味があるのではない。このようなひどい職務を、権力側の人物がやると、次も罰せられる可能性がある、と当事者たちに不安を与え、軽々しくひどい仕事ができなくなるようにすること、「未来への歯止め」に、意味があるのだ。多くの人がこの運動で怒っている、と示すことが必要なのだ。
権力の側にいる職員は、ひとりとしては基本的には弱い臆病者だ。自分が個人的に罰を受ける可能性がある、ということを知っていたら、おかしなことはしない。実際に先輩が痛い目に遭ったら、誰も彼に強要はしない。ハンコを押す、ということには役人は実に臆病なものだ。私は数年間だけ役所の中にいた。劇場をつくるとか稽古場をつくるとかつぶすだとかのたびに役所とはやりあった。私は感覚的に彼らの臆病さがわかる。ただ、このような政治的な圧力が明らかな部署では、「ぶあつく権力が守ってくれる」と承知していれば、ハンコは押す。役人は保身のためもあって、自分の良心に目をつむる。圧力に唯々諾々と従う。安心してひどい仕事ができる。そのハンコのむこう側に、命が数万人存在していることなど忘れる。何世代もの先祖たちの労力で切り開かれた土地が存在していること、重みに鈍感でいられる。役人たちに血の通ったハンコの使い方をさせるのは、悲しいけれど社会、世界の力関係なのだ。民衆が、強く常に意思表示すること。これが彼らを支える。だから、この運動は、役人たちのための運動でもあるのだ。
告訴・告発にみんな参加してほしい。
詳しくは以下のブログで。
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
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